【7月8日 AFP】香港政府は先月30日に施行した「国家安全維持法」のもと、警察の権限を拡大している。その変化の詳細は6日夜に発表された116ページにわたる施行細則に明記されており、政権転覆、国家分裂、テロ活動、外国勢力との結託を処罰する新法の一環を成している。

 国家安全維持に関わる捜査の実施に際して当局に認められた主要な権限の一部を、以下にまとめた。

■令状なしの捜索

 政府によると、警察は「例外的状況下」では令状なしで家宅捜索ができる。

 細則では、これが適用されるのは具体的には令状の「取得が実行できない」場合と規定されている。さらに無令状捜索は車両や電子機器に対しても適用される。

■インターネット検閲

 新法下では警察にオンラインのコンテンツを削除する権限が付与されている。「万里のファイアウオール(Great Firewall)」と呼ばれる中国のネット検閲システム外での都市で、先例のないインターネット統制となる動きだ。

 あるインターネットの投稿が「国家の安全を危険にさらす違反」となる可能性があると警察がみなせば、投稿者や投稿サイト、またそのサイトのホストに投稿の削除を命じることができる。

 インターネットユーザーまたはプロバイダーが警察の命令に従わない場合、警察は関連する電子機器の押収令状を治安判事に請求し、投稿を削除する措置を取ることができる。

 さらに当局は、その投稿者の身元記録の引き渡しを個人や企業に命じる令状を請求できる。

 命令に従わない個人は10万香港ドル(約139万円)以下の罰金または1年以下の禁錮刑を科せられる可能性がある。プロバイダーに対しては、最長6月の禁錮刑が科される。