【7月8日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は7日、内戦が続くシリアに周辺国から行っている越境人道支援をさらに1年延長する決議案の採決を行ったが、ロシアと中国が拒否権を行使した。外交筋が明らかにした。

 今回はトルコと接する国境2か所で、シリア政府の介入なしに支援物資の輸送を継続する決議案が、非常任理事国のドイツとベルギーから提出されていた。安保理理事国15か国のうち、ロシアと中国以外の13か国は決議案に賛成した。

 審議ではロシアが延長期間を1年ではなく6か月とすることと、国境の通過地点を1か所に制限することを要請した。

 さらに採決の直後、ロシアは自国にとってより好ましい条件を盛り込んだ独自の決議案を提出した。この決議案の採決の結果は8日中に判明する。

 周辺国からの国境を超えたシリアへの人道支援は2014年の安保理決議に基づいており、定期的に延長されてきた。直近の期間は10日に期限を迎える。

 シリアのアサド政権と最も親密な同盟国であるロシアは今年1月の安保理決議で、越境人道支援の国境通過地点を4か所から2か所に減らすことや、延長期間を1年から6か月に短縮することなどを実現させた。(c)AFP