【7月8日AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領(65)は7日、自身が受けた新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たことを発表した。症状は軽く、気分は「完全に良い」という。

 ブラジルではこれまでに160万人が新型ウイルスに感染し、6万5000人が死亡しているが、極右のボルソナロ大統領は感染防止策を繰り返し軽視し、新型ウイルスの危険性を小さく見積もってきたことで大きな物議を醸してきた。

 ボルソナロ大統領は、首都ブラジリアの公邸で応じたテレビインタビューで、陽性の検査結果が出たことを公表。治療のためヒドロキシクロロキンとアジスロマイシンを服用していることを明らかにした。

 ヒドロキシクロロキンは通常、マラリアやループス(狼瘡〈ろうそう〉)の治療に使われる薬剤。アジスロマイシンは肺炎の治療などに使われる抗生物質。

 ボルソナロ大統領はインタビューで、5日に体調を崩し、翌6日には病状が悪化して「倦怠(けんたい)感や体調不良、38度の熱」といった症状が出たと説明。だが現在の気分は「良く、穏やか」だとし、快調さを示すためにマスクを取って見せた。

 大統領は「生活は変わらず続く」とし、リスクの高い高齢者や基礎疾患がある人々を中心に「用心する」としつつも、新型ウイルス感染症そのものよりも、その「副次的影響」の方が深刻だとするこれまでの見解を繰り返した。

  映像前半は自らインタビューに応じ、途中でマスクを取って話すボルソナロ大統領。TV BRASILが7日撮影・提供。後半は同大統領のフェイスブック(Facebook)アカウントに投稿された、ヒドロキシクロロキンを服用する同大統領。(c)AFP