【7月8日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のめいのメアリー・トランプ(Mary Trump)氏が今月出版する回顧録の中で、トランプ氏は高圧的な父親の影響によってうそつきでナルシスト(自己愛人格)になったと述べていることが明らかになった。ホワイトハウス(White House)は即座にメアリー氏の著作は「うそだらけの本」だと反論している。

 臨床心理学者であるメアリー氏の240ページに及ぶ回顧録『Too Much and Never Enough: How My Family Created the World's Most Dangerous Man(仮訳:トゥーマッチ・アンド・ネバーイナフ──私の家族はいかにして世界で最も危険な男を生み出したのか)』は、トランプ氏の末弟に出版差し止め訴訟を起こされながらも今月14日に出版される予定で、米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)では予約段階ですでにベストセラーとなっている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、トランプ氏にとって「不正が生きるすべになっている」とメアリー氏は表現。トランプ氏は自己愛人格のすべての臨床基準に当てはまると述べている。

 またメアリー氏は、トランプ氏が金銭を払って他人に大学進学適性試験「SAT」を受けさせ、その結果を用いてペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)の名門経営大学院ウォートン・スクール(Wharton School)に入学したと疑っているという。同紙はメアリー氏がそう疑う根拠については触れてない。

 さらに米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)の報道によるとメアリー氏はトランプ氏について、トラウマになる虐待的な家庭生活を生み出した「社会病質者」である父親フレッド・トランプ(Fred Trump)氏の産物だと表現している。

 これに対し、ホワイトハウスのサラ・マシューズ(Sarah Matthews)副報道官は「SATに関するばかげた疑惑は全くのでっち上げだ」と非難。また「(大統領は)父親は愛情深く、子どもの頃にきつく当たられたことはないと述べている」と反論した上で、「メアリー・トランプ氏と出版社は公共の利益のために行動していると主張しているかもしれないが、この本は明らかに著者自身の金銭的利益のために書かれたものだ」と批判した。

 なお、トランプ氏自身はメアリー氏の回顧録は「フィクション」だと述べている。(c)AFP