【7月7日 Xinhua News】中国新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)クズルス・キルギス自治州アクチ(阿合奇)県は天山山脈南麓の高地寒冷地帯にあり、ここに住むキルギス族の人々は、伝統的な調教・タカ狩りの習慣を今でも残している。

 同県牙朗奇村の庫爾馬西・胡特曼(クルマシ・フトマン)さん(69)は、国家級無形文化遺産「キルギス族のタカの調教」の代表的な伝承者に認定されている。

 どう猛な性格の野生のタカを訓練し、指揮に従わせて狩り用のタカにすることは、決して容易ではない。鷹匠(たかじょう)が心血を注ぎ、心を込めて飼育する必要がある。庫爾馬西さんは「タカは利口な鳥で、恩義を理解し、羽を羽ばたかせることで喜びや相手への愛を表現する」と紹介した。また「タカは私が褒めると合図を送ってくれる。鳴き声やボディーランゲージで、私の言うことを理解したと教えてくれる」と語った。

 キルギス族の調教・タカ狩りの伝統では、タカは主人の下で1~5年「服役」した後、空に戻され自由になる。野生動物保護に関する法規が公布されたことにより、地元ではすでに鷹匠がタカを捕獲することが禁止されている。現在すでに飼いならしたタカを解放した後は、恐らくこの習慣は継承できなくなる。庫爾馬西さん世代の人々が、最後の鷹匠になるかもしれない。(c)Xinhua News/AFPBB News