【7月7日 Xinhua News】感染症の影響にもかかわらず、中国企業に対する外資の合併・買収(M&A)意欲が高まっている。米飲料大手ペプシコは中国菓子大手で「百草味」のブランドで知られる杭州郝姆斯食品を7億ドル(1ドル=約108円)で買収。独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は合弁会社の江淮大衆汽車への出資率を75%に高め、中国車載電池大手の国軒高科の26%の株式を取得した。上海証券報が伝えた。

 米法律事務所ベーカー&マッケンジーと調査会社ロジウム・グループのリポートによると、今年1~5月の外資による中国企業のM&A総額は90億ドルに上り、10年ぶりに中国企業による海外M&Aを上回った。

 海外直接投資(FDI)が世界で低迷する中、今年1~5月の中国のM&Aを含む外資導入総額は3551億8千万元(1元=約15円)で、前年同月比の減少幅は3・8%に狭まった。4月と5月は増加に転じ、4月は11・8%増、5月は7・5%増となった。

 対外経済貿易大学(University of International Business and Economics)国際経貿学院の崔凡(Cui Fan)教授は「各地で各級の重点外資プロジェクトバンクの構築が進んでいる。海南自由貿易港建設案には発表後、海外から投資の問い合わせが押し寄せた。西部大開発の優遇措置が再び延期されたことは西部地域への外資流入の好材料となる」と語った。

 商務部は「外資安定化」を図るため関連部門と新措置を検討中で、「外商投資奨励産業目録」改訂版も発表間近だ。「外資安定化」の重点と位置付けられる重点外資プロジェクトについて、国家発展改革委員会は、今年は第4陣の重点外資プロジェクトを打ち出すとし、外資プロジェクトへのサービス水準を全面的に高めるとの方針を示した。

 崔氏は今年の外資導入総額について、海外での感染状況は依然として深刻で、不確定要素が多く、人的往来が滞っているとし、下半期の月間データに影響が出る可能性は排除できないと指摘。ただ現在の外資プロジェクトの誘致・着工から見れば、年間の外資流入量は安定を維持するとの見通しを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News