【7月7日 AFP】米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は6日、香港で施行された「香港国家安全維持法」によって、中国政府が活動家の言論や学校・図書館などに対し「オーウェル的(全体主義的)」な検閲を実施していると述べ、強く批判した。

 香港当局は各地の学校に対し、香港の独立や自治を求める言論を違法とした新法に基づいた蔵書の見直しや撤去を命じている。また香港の図書館でも、民主派の活動家らの著書が撤去されている。

 ポンペオ氏は厳しい論調で、「自由な香港に対する中国共産党の破壊行為は続いている」と批判。「抑圧的な国家安全維持法が成立してまだ間もないうちから、香港当局はオーウェル的な施策として、中央政府の治安維持機関を設置し、中国共産党に批判的な本を図書館から排除し、政治的なスローガンを禁止し、さらに学校に検閲の実施を要求している」と列挙した。

 ポンペオ氏はさらに、同法の施行は中国による「香港市民の権利と自由に対する新たな攻撃」だと非難。「これまでの香港の繁栄は、独立した法の下で自由な思想と言論が認められていてこそのものだった。だが、これで終わりだ」と述べた。(c)AFP