【7月11日 AFP】渓谷を越え、雪に覆われたスキー場を抜け、にぎやかな駅に到着する小さな列車たち。クロアチアの首都ザグレブにあるアントゥン・ウルビッツ(Antun Urbic)さんの鉄道模型博物館では、訪れた人々が小さな風景に溶け込んだ列車に魅了されている。

 欧州南東部最大の鉄道模型博物館であるバツコ・ミニ・エクスプレス・ミュージアム(Backo Mini Express Museum)。綿密に作られた田園風景や街並みの中には総距離1キロを超える小さな線路が敷かれ、登山者、結婚式の招待客、警察官、工事現場の作業員、通勤者などの人形2500体以上が置かれている。

 2015年にミュージアムを開館したウルビッツさんは、60年前に父から鉄道模型をもらったことがきっかけで電車が好きになった。

 ザグレブにある自宅の屋根裏部屋で鉄道模型を作り始め、その後、より広い場所へと移動させてからは友人らも招いて一緒に制作に当たり、4年間かけて大規模な模型を完成。ミュージアムとして一般公開を始めた。

 開館以来、年間2万5000人が訪れており、米国、オーストラリア、インドなどからも鉄道模型ファンがやって来る。

 新型コロナウイルスに伴うロックダウン(都市封鎖)により約3か月閉鎖していたが、今年5月に再開した。

 風景模型の中にはスキーでスラロームを滑っている人形もあり、ウルビッツさんによれば、固定されずに実際にスキーをしている人形があるのは欧州でここのみだという。

 映像は2月撮影。(c)AFP/Lajla VESELICA