【7月6日 CNS】中国のジャイアントパンダ国家公園管理局は先月26日、陝西省(Shaanxi)の太白山(Taibai Mountain)の標高2400メートルの山林で、同局太白山管理分局の野外調査チームが野生のジャイアントパンダ1頭を発見したと明らかにした。ビデオでも撮影し、2歳ぐらいの子どものパンダとみられる。

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 2015年にこの地域からパンダが姿を消して以来、見つかったのは5年ぶり。パンダの生息地の回復を目的に2017年からジャイアントパンダ国家公園を整備してきた大きな成果だ。

 野外調査チームは太白山の海塘河(Haitanghe)氷凌溝(Binglinggou)の山林で赤外線カメラを設置していた際、枝や葉の折れた音を聞き、茂みの中で動くパンダを見つけた。パンダはすぐそばの大きな木に登り、隊員たちを見つめた。「パンダと私たちの距離はわずか7〜8メートル。みんな初めてパンダを見たので、興奮しつつ、少し怖くもありました」と振り返るのは、調査チームのメンバーの舒建(Shu Jian)さん。「パンダを驚かせてはいけないので私たちはすぐ立ち去り、少し時間がたってから調査に戻りました。木にはパンダの爪跡が残っていて、ふんもたくさん集めました」。1か月前には、今日の遭遇場所から約3キロ離れた場所でもパンダが食事した痕跡とふんが見つかっていたという。

 海塘河の氷凌溝は渓谷地帯で、かつて10平方キロメートル以内に少なくとも2頭のパンダが生息し、標高2300〜2500メートルの区域で活動していた。2015年にパンダの好物の竹が大量に枯れたため、パンダの姿も見られなくなった。最近は竹が再び生えてきていた。

 太白山管理分局の李先敏(Li Xianmin)教授は「ビデオに映っているパンダは2歳ぐらいで、母親から離れた直後で自分のすみかを物色しているパンダと考えられる。1か月前と今回のふんを比べると形も特徴も似ていて、2回とも竹を食べた跡が見られるため、氷凌溝地域で生息している可能性が高い」と分析する。

 また、李教授は「パンダは竹の花が広範囲に咲いた後に戻ってきており、生息地が回復していることを示している。しかし、竹の種類が単一なので、さらに竹林を育てる措置を取り、パンダが食糧危機に陥らないよう対処しないといけない」と指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News