【7月6日 People’s Daily】6月15日午前、中国・広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)は日差しが強く、珠江に沿って東西1キロに及ぶ琶洲広州交易会展示館はしんと静まり返っていた。

 しかし、ネット上では第127回広州交易会が盛大に開幕していた。ネットでは50の展示区が設けられ、2万5000社の企業が約180万点の輸出商品を展示していた。ライブ配信ホールに入ると、5000余りのライブ配信が同時に行われていた。

 広州交易会は中国の貿易の「バロメーター」とか、「風向計」といわれてきた。1957年に始まって以来、途絶えたことがない。今回は新型コロナウイルスの影響で2か月遅れ、ネット上で開催されることになった。

「非常時には非常の試みが必要」と語るのは広州交易会の広報を担当する中国対外貿易センターの徐兵(Xu Bing)副主任。徐副主任は「新型コロナの影響で、わが国の貿易はかつてない挑戦を受けた。広州交易会の役割を十分に発揮させ、中国企業による市場開拓、シェア確保を支援するため、交易会はデジタル技術を運用していく」と述べた。

 広東省東莞市(Dongguan)茶山鎮(Chashan)にある新盟食品の潘結倹(Pan Jiejian)会長は何度も広州交易会に参加したことがあるが、今回の交易会について「形式は異なるが、本質は同じだ。そのうえ、ネットの交易会の方が出張の費用や時間を節約できる。このため、参加者も増える」と語った。

 潘会長は「業者がネット上を巡回し、何か聞きたいことがあれば、ネット上の商談室に入ってもらう。時差があっても、従業員が24時間対応できる」と述べた。

 ポルトガルの駐広州総領事は「オンライン展示会はオフライン展示館を完全に代替することはできないが、感染症流行期に企業の市場開拓を支援し、貿易を維持する革新的措置」と語った。

 ペルーやロシア、ヨルダンの代表もオンラインで参加した際、新型コロナで世界貿易は重大な衝撃を受けたが、広州交易会はネット上に移動し、自分たちが新商品を買い付けたり、供給業者と知り合ったりするための得難い機会を提供してくれると語った。今回、広州交易会がネット上で開催されたことは、新型コロナが世界経済、とりわけ国際貿易に与える影響を縮小することに役立つという。(c)People's Daily/AFPBB News