海底の草原を育てる 生態環境の回復を目指す 中国・海南省
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【7月6日 People’s Daily】2018年、中国海南省(Hainan)の海洋・漁業科学院海洋生態研究所は一つの任務を与えられた。海底で「草」を育てるというものだ。海南省の清瀾(Qinglan)港の拡張で埋め立てプロジェクトによる生態環境の破壊を修復する取り組みの中に、この海草資源修復の仕事が含まれる。
近年、陸地からの汚染物質が沿岸に流れ込み、大量の泥が浮遊し、天然の湿地が減少し、海底の基礎的な植生、つまり海草床が急速に消え、海底が「荒れ地」に変わりつつある。
「海草床の消失は、海洋生態環境への影響が甚大です」。生態研究所の呉鐘解(Wu Zhongjie)所長は説明した。「海草床は海洋生態系の循環を促し、水流の中で浮遊する不純物を吸着し拡散を防ぎ、水質を改善します」
清瀾港の航海ルートは高隆湾(Gaolong)の海域にあり、海草床はずっと退化状態にあった。地元の漁師によれば、前世紀80年代には海草は生い茂っており、1メートル以上のウミショウブが至る所で見られ、浅瀬ではリュウキュウスガモが塊になっていたそうである。現在、人々は明らかに海草資源の退化を感じており、以前ならいつも沿岸で捕まえられていた魚が、影を見なくなったという。海草床の退化により、沿岸の魚は住む場所を失い、生物の多様性が低下し、生息密度が下がっている。
研究を通じて、高隆湾の一角は人工修復区に指定された。生態研究所ではさまざまな海草を使い、活着率や生育状況などを分析した。総合的な分析の結果、研究チームはウミショウブとリュウキュウスガモの二種類に絞って試験生育を行うことにした。
次に来る問題は、それをどう植えるかである。陸地の砂漠を緑化する手法も、研究員を導いた。砂漠で「草方格」(緑化の際に流砂を防ぐため、枯れ草や枝を地中へ碁盤状に挟み込む技法)の制作法を参照して、研究員は「海底の土方格」を作り、鉄のパーツで海草移植用の方格を固定し、同時に漁網をかぶせた。これによって、海底の堆積物をばらけさせ、水流を穏やかにし、浮遊物を沈降させ、栄養を捕まえて、海底の堆積物を安定させ海草株を固定する。
2020年3月、生態研究所の発表によれば、海底1ムー(約666.7平方メートル)の実験区内において、リュウキュウスガモは活着率56%、修復区域内の平均植物被覆率5%であり、ウミショウブは活着率89%、修復区域内の平均植物被覆率22%であった。4月には、清瀾港航海ルート拡張と埋め立て地形成プログラムの生態環境修復整備事業の生態系修復任務は順調に調査にパスした。
研究チームの主要メンバーの陳石泉(Chen Shiquan)氏は「熱帯海洋の典型的生態系を作る上で、海草床は多くの海洋生物にすみかや餌場、子育ての場を提供し、海草自体も海洋生物の遺伝子プールや生物資源の原産地となっています。修復の仕事は成功し、生態学上の重要な意義を持つものとなりました」と言った。(c)People's Daily/AFPBB News