【7月6日 People’s Daily】中国の寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)銀川市(Yinchuan)の無形文化遺産である「喬家革細工」。その伝承者である喬雪(Qiao Xue)さんは昨年7月、動画共有アプリの抖音(Douyin)にアカウントを開設、ショートビデオとライブ配信で技量を披露してきた。

 アカウントの名称は「革細工大師・喬師匠」。1年もたたずに喬さんはライブ配信を60回近く実施。ライブ配信で合計200万元(約3000万円)以上の革製品を売った。1回の最高売上高は45万元(約684万円)に達した。

 抖音は昨年4月、無形文化遺産の普及と伝承を支援するプロジェクトを開始。抖音の最近の発表によれば、1年間で100万人以上のフォロワーを獲得した無形文化遺産の伝承者が40人以上いたという。抖音の動画は国家級の無形文化遺産のうち1318件、すなわち96%をカバーしている。4800万以上の無形文化遺産に関する動画は合計2000億回再生され、65億回近く「いいね」を獲得した。

 現在、ますます多くの無形文化遺産関係者がネットを利用するようになり、無形文化遺産の作品に関心をもち、購入する人も増えている。人々は伝承者の技量に敬意を払い、無形文化遺産のすばらしさを感じている。

 6月13日は中国の「文化と自然遺産の日」。無形文化遺産とネットの融合が進む中で、中国文化観光省は今年、ネット上の普及活動を初めて繰り広げた。

 無形文化遺産の作品の生産と消費をネット上で結び付けるため、アリババ(Alibaba)や京東(JD.com)など電子商取引業者は文化観光省や商務省、国務院貧困扶助弁公室の支持の下で、「無形文化遺産ショッピングデー」を共同で開催した。全国の6500近くの店が参加し、作品の種類は8万余り、作品は約4500件の各級の無形文化遺産にかかわるものだった。四川省(Sichuan)南充(Nanchong)の無形文化遺産ショッピングウイークではライブ配信活動が4日間実施され、売上高は3000万元(約4億5600万円)を超えたという。

 文化観光省の責任者によれば、新型コロナウイルス対策が常態化したのに伴い、オンライン販売などネット上でいろいろな活動をすることが今では世の趨勢(すうせい)になった。無形文化遺産ショッピングデーの開催は防疫体制の下で行われた無形文化遺産分野での貧困扶助の重要な措置だった。これまでに貧困扶助のために全国で設立された無形文化遺産関係の作業所は2000か所を上回り、50万人近い人々が就業し、20万余りの貧困家庭が貧困から脱却した。(c)People's Daily/AFPBB News