【7月4日 AFP】中国が、刑を執行した死刑囚からの臓器摘出を5年前に中止して以来、臓器のドナーが不足している問題に対処し、違法な臓器売買に歯止めをかけるため、規則の改正を検討していることが分かった。

 中国国家衛生健康委員会(National Health Commission)が1日に発表した草案では、亡くなった人々の臓器を遺族が提供することを認めている。

 中国は臓器摘出を目的とした児童の人身売買を根絶しようとしており、同案では未成年者を生体ドナーにすることを違法としている。

 長年にわたって物議を醸してきた、刑執行後に死刑囚の臓器を摘出する慣行が2015年に廃止されると、中国は深刻なドナー不足問題に対処してきた。

 中国政府は2007年に初めて臓器提供を規制する法律を成立させた。

 だが中国の強制的な臓器摘出の実態について独自に調査している、英首都ロンドンに拠点を置くNGO「中国法廷(China Tribunal)」は、昨年7月に発表した報告書で、刑罰と刑執行の不透明性ゆえに、中国の闇市場では腎臓一つが場合によって、約5万ドル(約540万円)で売買されていると指摘。

 また、中国における臓器移植の件数は、公式のドナー数をはるかに上回っており、超過分は中国国内で非合法化されている気功集団、法輪功(Falun Gong)のメンバーを含む政治犯らが占めると述べている。

 中国政府は、こうした指摘を否定し続けている。(c)AFP