中国人経営者が炭鉱労働者を銃撃 人権団体は虐待まん延と非難 ジンバブエ
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【7月4日 AFP】ジンバブエで、未払い賃金について不満を訴えた炭鉱労働者2人が、中国人の経営者から銃で撃たれて負傷したとされる事件が発生し、同国の人権団体は先月30日、「まん延する虐待」をめぐり中国系の炭鉱会社を非難した。
事件は6月21日に発生。同国中部グウェル(Gweru)の警察当局によると、 炭鉱会社の経営者である張学恩(Zhang Xuen)容疑者(41)が、価値が暴落している現地通貨ではなく米ドルで賃金を支払うという約束に背いたとして口論が起きたという。
最も強く抗議の声を上げる作業員らの一部を張容疑者が解雇しようとしたところ、言い争いに発展。その際に張氏が発砲し、一人は両ももを撃たれ、さらに弾丸が別の一人の顎をかすめたという。
張容疑者は殺人未遂容疑で身柄を拘束され、その後保釈された。
ジンバブエ環境法協会(ZELA)は30日、同国内における中国人雇用者の倫理観について激しく非難。
ZELAのシャミソ・ムティシ(Shamiso Mutisi)副会長はAFPに対し、「作業員へのひどい待遇という問題は組織的かつ広範囲に及んでおり、(発砲)事件によってまん延する労働者への虐待が明るみに出た」「賃金は非常に低いことが多く、多くの場合は予定通りに支払われない。誰かが労働者としての権利を行使しようとして支払うべき賃金を要求するものなら、暴行されるか撃たれてしまう」と述べた。
中国は近年、ジンバブエの新国会議事堂の建設事業など、アフリカ各地での多くのインフラ計画に融資を行っている。
だが隣国のザンビアで5月、中国企業の工場幹部3人が不満を抱く従業員によって惨殺されたとみられる事件が発生。中国の影響力が強まったことで緊張が生まれている。(c)AFP