【7月4日 AFP】世界保健機関(WHO)は今週、新型コロナウイルス危機の初期段階に行った説明を修正し、中国・湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)で初めて肺炎の症例が確認された際に報告を受けたのは中国ではなく、同国内のWHO事務所からだったと明らかにした。

 WHOは4月9日、流行発生の初期対応への批判に応える意味も含め、コロナ対応をめぐる時系列の動きを公表。これには、武漢市衛生健康委員会が昨年12月31日に肺炎症例の発生についてWHOに報告したとのみ記載されており、具体的に誰が知らせたかについては明記されていなかった。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は4月20日の記者会見で、中国から最初に報告があったと述べ、報告したのが中国当局か別の情報源かについては明らかにしていなかった。しかしWHOが今週公表した新たな時系列の報告には、発生に関する情報がもっと詳しく記されている。

 これによると、12月31日に武漢市衛生健康委員会のウェブサイト上で「ウイルス性肺炎」の感染発生についてメディア向けの発表を見つけてWHOの地域連絡窓口に報告したのは、中国国内のWHO事務所だった。

 WHOの疫病情報機関は同日、世界各地の疫病情報を監視する米拠点のネットワーク、感染症速報「ProMED-mail」が、武漢での原因不明の肺炎が集団発生した事例に関する別の報道を伝えていることを確認。WHOは1月1日と2日に、中国当局にこの2件の報告について問い合わせ、同3日に当局から回答が得られたという。

 WHOの緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は3日、記者会見で、各国は症例について公式に確認し、性質や発生原因についてWHOに追加情報を提供するまで24〜48時間の猶予が与えられると説明。WHOが中国当局に症例報告について確認を求めた際、同当局は迅速に報告したと述べた。(c)AFP