【7月4日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は3日、拒否権を行使し、新型コロナウイルスの感染拡大対策として公共の場でのマスク着用を義務付けた法律の条項の削除を求めた。

 ブラジルではすでに、サンパウロ(Sao Paulo)やリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)など複数の州でマスク着用が義務付けられているが、国家レベルでマスク着用を義務化した法律が施行されるのは初めてだった。

 しかしボルソナロ氏は、「商業・産業施設や宗教の礼拝所、教育施設および人々が集まる密閉された場所」ではマスクを着用しなければならないと明記されている条項は違憲だと主張。商談や会議が行われる密閉された場所に関する文言を引き合いに出し、「自宅が違反に当たる可能性」があると述べた。

 ボルソナロ氏はまた、店舗や企業による従業員へのマスク提供や、公共機関による「経済的弱者の人々」へのマスク配布を義務付けた条項についても拒否権を行使している。

 議会は今後、ボルソナロ氏の拒否権について検討し、この条項を維持するか破棄するかについて決定しなければならない。

 ブラジルは新型ウイルスの感染者・死者ともに世界2位となり、それぞれ150万人以上、6万1000人以上に達している。(c)AFP