【7月4日 AFP】20F1開幕戦オーストリアGP(Austrian Grand Prix 2020)のスチュワードは3日、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のDAS(Dual Axis Steering、デュアル・アクシス・ステアリング)は合法だとする判断を下し、レッドブル(Red Bull)の異議申し立てを棄却した。

 3日に行われたオーストリアGPのフリー走行では、通算6度の選手権制覇を誇るルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)のメルセデス勢が、新たにペイントされた「ブラックアロー」のマシンでワンツーを飾った。

 レース後、レッドブルはメルセデスが導入したシステムに正式抗議していたが、レースオフィシャルはレギュレーション違反はないと発表した。

「スチュワードはDASはステアリングシステムの正当な一部であり、それゆえサスペンションや空力的影響のルールに従っていると見なした」

 この発表に先立ち、レッドブルのクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表は、このシステムの正当性についてレースオフィシャルに対し説明を求めるつもりだと話していた。

 DASはドライバーがコックピットからフロントタイヤのトー角を調整できるようにするシステムで、メルセデスが導入したプレシーズンのテストではパドックで議論を呼び、すでに国際自動車連盟(FIA)は来季におけるDASの使用禁止を決定している。

 一方、メルセデスはこのシステムが合法だと確信しており、シーズン開幕前とプレシーズンテストの前にFIAと詳細に話し合ったとしている。

 ホーナー代表は、「われわれは異なる意見を持っている。その主要性能がマシンのステアリングのためのものでないのは明らか」「メルセデスとわれわれのエンジニアの考えは異なる」と話し、DASが認められた場合は、レッドブルもこのシステムの導入を検討する意向であると語っていた。(c)AFP