【7月3日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で通算4度の総合優勝を誇るセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は2日、所属チームのフェラーリ(Ferrari)から来季以降の契約延長を求めるオファーがなく、チームからの離脱は明らかに双方同意の上ではなかったと主張した。フェラーリは5月に発表したコメント文で、ベッテルとたもとを分かつのは合意の上であると説明していた。

 今季開幕戦のオーストリアGP(Austrian Grand Prix 2020)を今週末に控えた公式のオンライン会見で、ベッテルは「正しいパッケージ」が見つかれば喜んでライバルチームに加入すると語った。さらに、チーム代表のマッティア・ビノット(Mattia Binotto)氏から、2020年シーズン終了後はもはや戦力として必要ないと告げられて驚いたことも明かした。

「マッティアから電話がきて、これ以上はチームとして一緒に続けていくつもりはないと言われたとき、驚いたのは確かだ」「何の話し合いもなかった。交渉のオファーは一度もなかったから、物事が行き詰まるということも全くなかった」

 メルセデスAMG(Mercedes AMG)やルノー(Renault)のほか、来季からアストンマーティン(Aston Martin F1)として生まれ変わるレーシングポイント(Racing Point)に移籍する可能性を報じられている中で、ベッテルは新たな移籍先が見つかることを望んでいるといい、「自分自身と自分の未来のために、必ず正しい決断をするようにしていきたい」と話した。

「自分は高い競争心の持ち主だと思う。この競技では多くのことを成し遂げてきた。やる気はみなぎっているし、これからもっと達成していきたい」「そのためには、正しいパッケージと周りに適切な人々が必要だから、今はそれを模索しているところだ」

「正しい機会がめぐってくれば、どうするかは明確だ。だけどそうでなければ、何か違うことを探していかなければならないだろう」というベッテルは、新たなシートが見つけられなければF1から去ることも真剣に考えていると明言し、「『ドアを閉めよう』と言うつもりなら、ドアを閉める覚悟を持つべきであり、扉を閉めたら再び開けたりしないのが自分の信念だ」と語った。(c)AFP