【7月3日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は2日、同党の政治局拡大会議に出席し、同国が新型コロナウイルスの感染を阻止したことは「輝かしい成功」だとたたえ、当面の間、国境封鎖を継続する方針をほのめかした。国営朝鮮中央通信(KCNA)が3日、伝えた。

 会議では、新型コロナウイルスの影響について議論された。北朝鮮は半年前から国境を封鎖し、数千人の国民を隔離している。

 KCNAによると、金委員長は対策を評価した上で、「われわれは悪性ウイルスの侵入を徹底的に防いできた」「世界的な公衆衛生危機にもかかわらず、安定した防疫の状況を維持した」と述べた。

 さらに、「労働党中央委員会の先見的な指導によって成し遂げられた輝かしい成功と、中央委員会の指示に従って行動するすべての人々が見せた高い自主精神」を称賛したという。

 一方、特に「近隣諸国」で新たに感染が拡大していることを踏まえ、「最大限の警戒を維持する」必要性を強調した。

 KCNAは、金委員長が「軽率な防疫措置の緩和は、想像を絶する取り返しのつかない危機を招くだろうと繰り返し警告した」と伝えた。

 北朝鮮政府は、隣国中国で発生し、世界中に広がった新型コロナウイルスの感染者が一人も確認されていないとしているが、国境を封鎖し、学校を閉鎖。数千人規模の人々を隔離するなど、厳しい対策を取っている。

 アナリストらは、隣国の中国で始まり世界中に広がった新型ウイルスの流行を北朝鮮が免れたとは考えにくく、同国の脆弱(ぜいじゃく)な医療制度では大流行への対処は困難かもしれないとの見方を示している。(c)AFP