【7月2日 AFP】アフリカ南部ボツワナの有名なオカバンゴ湿地帯(Okavango Delta)で、ゾウ数百頭が謎の死を遂げていることが分かった。野生生物保護当局のトップが2日、明らかにした。死骸に牙が残っていることから、密猟の可能性はないという。

 野生生物保護・国立公園当局のトップはAFPに対し、「オカバンゴ湿地帯の北部地域でゾウ356頭が死んだとの報告があり、このうち275頭をこれまでに確認した」と明かした。また、死因は現時点では不明だが、炭疽(たんそ)菌の可能性もないという。

 この大量死に警鐘を鳴らしたのは保護団体「国境なきゾウたち(EWB)」で、ゾウ356頭の死に言及した同団体の極秘報告書が1日にメディアにリークされていた。

 EWBは、このゾウたちはオカバンゴ湿地帯で約3か月の間に死んでいったとみている。

 EWBがまとめた報告書によると、「ゾウが年齢と性別を問わずに死んでいることを示す十分な証拠がある」という。

 また、複数の生きているゾウは弱り、だるそうで、痩せ衰えており、何頭かは方向感覚を失い、歩行困難や足を引きずる症状を見せており、「あるゾウは円を描いて歩き続け、群れの仲間に促されても方向を変えることができない様子だった」と報告した。

 ボツワナには、世界最大の推定13万頭前後のゾウが生息している。(c)AFP