防護服を着て作業をする男性の目の前にマスクすらつけていない子供たちが見える。そしてその後方ではもの珍しそうに密をなして作業を見つめる大人たちがいる。彼らはマスクをしない危険性、集団で固まるリスクというものを知らないのだろうか。いや、恐らく知る由もないのだ。紛争という常に死と隣り合わせの状況ではウイルスに対する危険意識というものが薄れているに違いない。また、情報収集能力も極めて低く、世界が今どのような状況にあるのかを俯瞰して見つめることができないのだ。目に見えない脅威というのはウイルスそのものだけでなく、彼らの知識や生活水準、そして難民という立場などの目に見えない「Border」が新型コロナウイルスの被害を拡大させているのだ。我々が取り除かなくてはならないのはウイルスだけでなく、格差という慢性的な病なのかもしれない。
このことを知ってもらいたく、今回この写真を選定した。(ペンネーム:I・T)
[早稲田大学]