【7月2日 AFP】米国で1日、南北戦争(American Civil War)時代に奴隷制を支持した南部連合(Confederate States of America)のシンボルの撤去を求める運動が勢いを増し、バージニア州リッチモンド(Richmond)では南部連合の将軍像が、ミシシッピ州では南部連合の軍旗(南軍旗)の意匠をあしらった州旗が撤去された。

 南部連合の首都が置かれたリッチモンドでは、市長が南部連合のモニュメントを「直ちに撤去せよ」と命じたことを受けて、南部連合の将軍トーマス・ジャクソン(Thomas Jackson)の像が撤去された。

 ミシシッピ州ジャクソン(Jackson)では、州会議事堂に掲げられていた州旗が降ろされ、近隣の博物館に運ばれた。

 リッチモンドのレバー・ストーニー(Levar Stoney)市長は、「リッチモンド市の癒やしのプロセスを促進するため」、非常権限を行使して南部連合のモニュメントを排除すると述べた。

 ストーニー氏によると、リッチモンドは1861年~1865年南部連合の首都が置かれた都市として、「その遺産を背負ってきた」という。

「その大きな重みは、有色人種の市民たちにのしかかってきた」「これらの像は象徴にすぎないが、わが市の有色人種の子どもたちの夢に影を落としてきた」とストーニー氏。

 さらに、「これらの像を撤去することで、われわれは癒やしを始め、将来に目を向けることができる」とした上で、像の撤去は同市を含む全米の人種的不公平の「解決策」ではなく、「手始め」にすぎないと述べた。

 ストーニー氏によると、新型コロナウイルスが流行しているにもかかわらず、デモ隊が像を倒そうとするため、像は公衆安全上の脅威ともなっているという。(c)AFP/Chris Lefkow and Michael Mathes