【7月2日 AFP】ロシア陸上競技連盟(RUSAF)は1日、ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)から科された罰金を期限内に支払わなかったため、中立選手として国際舞台で戦うことを望む同国アスリートは危機的状況に追い込まれた。

 RUSAFのエフゲニー・ユルチェンコ(Yevgeny Yurchenko)会長は国営タス通信(TASS)に対し、「RUSAFには世界陸連から科された罰金を支払う金がない」と話した。

 また同会長は、罰金を支払うための資金の工面に「あらゆる手を尽くした」とし、ロシア陸連に対する「多くの批判」は的外れだとした。

 ロシア側が反ドーピング違反で科された罰金の一部500万ドル(約5億4000万円)をこの日までに支払えば、薬物違反のない同国アスリートは中立旗の下で大会に参加することが可能となるはずだった。

 ロシア人アスリートを中立選手として認可する手続きは、世界陸連がRUSAFのドーピング違反調査の妨害を明かした昨年11月から中断している。

 相次いで薬物スキャンダルを起こし2015年に資格停止処分を受けたロシアは、世界陸連への再加入に向けて手を尽くしてきた。

 この資格停止により、個人資格で出場した選手を除くロシア人アスリートは2016年のリオデジャネイロ五輪に参加できず、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受けて2021年に延期となった東京五輪への参加を懸念する中、選手たちは締め切り日に期待を寄せていたが、発表を受けて怒りをあらわにし、批判の声を上げている。(c)AFP