【7月2日 AFP】米ワシントン州シアトル(Seattle)の警察当局は1日早朝、3週間ほど前にデモ隊によって設置された「自治区」から、デモ隊を強制的に排除した。

 暴動鎮圧用装備で身を固めた警察の大部隊は午前5時(日本時間同日午後9時)、シアトルのキャピトルヒル(Capitol Hill)につくられた 「キャピトルヒル組織的抗議(Capitol Hill Organized Protest)」と名付けられた6区画を占拠していたデモ隊の強制排除に乗り出した。

 警察によると、解散の拒否や妨害、攻撃、刃物や金属パイプを含む武器の不法所持の疑いで、少なくとも31人を逮捕したという。

 カーメン・ベスト(Carmen Best)警察署長によると、無警察地帯となった同地区で、ティーンエージャー2人が死亡した複数の銃撃事件をはじめ、犯罪が急増したことをうけて、シアトルのジェニー・ダーカン(Jenny Durkan)市長が強制排除を命じたという。

 ベスト氏は、「ここで発生したことは無法で野蛮だ。要するに、全く容認できないということだ」と述べた。

 アフリカ系米国人のベスト氏は、「平和的なデモは支持する。黒人の命は大切だ」「だがもうたくさんだ。われわれの仕事は地域社会を保護し、地域社会に奉仕することだ」と述べた。

 徒歩または自転車に乗った警官らが警棒を手に防衛線を張る中、市の職員らが清掃活動を開始し、デモ隊のテントや路上のバリケードを撤去した。(c)AFP/Jason Redmond