【7月1日 AFP】英国人画家、フランシス・ベーコン(Francis Bacon)の作品が先月29日、英競売大手サザビーズ(Sotheby's)主催のオークションに出品され、8460万ドル(約91億円)で落札された。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響から、無観客の会場の様子が世界中にライブ配信される形で行われたオークションは、同社にとって初の試みとなった。

 落札されたのは、ギリシャの悲劇詩人アイスキュロス(Aeschylus)作の「オレステイア(Oresteia)」にインスピレーションを受けて制作された絵画作品。ベーコンが1962年から1991年までの間に制作したトリプティク(3枚の絵で一つの作品となるもの)28作品のうちの一つとなる。

 サザビーズが開催する春のオークションは毎年数十億ドルでの取引が行われるが、今年は米ニューヨークが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大打撃を受けたことから、英ロンドンからライブ配信を行うと先月、発表されていた。

 ベーコンの作品を競り落としたのは、ニューヨークのサザビーズ担当者を通じて競売に参加した匿名の入札者で、中国からオンラインで参加した入札者とおよそ10分に及ぶ入札合戦を繰り広げた。

 映像は6月23日撮影。(c)AFP