【7月1日 AFP】ネパールは、インドとパキスタンの農作物に壊滅的な被害をもたらしてきたサバクトビバッタの大群による被害を抑えるため、捕まえたバッタに報奨金を出している。

【写真】世界中で猛威をふるうバッタの襲来

 南アジアは、過去数十年で最悪のバッタの大発生に見舞われ、穀倉地帯が壊滅的な被害を受けており、バッタの群れは今やネパールに入っている。

 農業・家畜開発省のカジェンドラ・プラサド・シャルマ(Khagendra Prasad Sharma)報道官は報奨金について、「環境に悪影響を及ぼす殺虫剤を使わず、人々にバッタの捕獲を促すことが狙いだ」と説明した。

 今週バッタが進入した2州は農民をはじめとする地元民を対象に、バッタ1キロにつき最高25ネパール・ルピー(約22円)の報奨金を提示している。

 州の当局者によると、南部の都市ブトワル(Butwal)では、この3日間で約10キロのバッタが集まった。他の地域でもバッタを集めており、量によっては家禽(かきん)や家畜の飼料として利用できる可能性もあるという。

 バッタの大群は今年、アフリカ東部やアラビア半島(Arabian Peninsula)一帯、インドの一部に被害をもたらしてきた。専門家らは、今月から始まるモンスーンの降雨によってバッタの数が爆発的に増える恐れがあると懸念している。

 ネパール農業・家畜開発省によると、これまでのところバッタの群れは膨大な数とはなっておらず、農作物に大きな被害は出ていないという。(c)AFP