■陪審なしの非公開裁判

 同法は、国家安全に関わる特定の事件は香港で陪審なしの非公開裁判ができるとしており、それは国家機密が含まれている場合だ。裁定と最終判決は公表される。

 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は国家安全に関わる事件で裁判官を自ら指名できるが、その任期は1年に限られる。

 また「裁判官が、被告が国家安全を危険にさらす行為を継続しないと認められる十分な理由を持たない限り」、被告には保釈が認められない。

■新たな治安機関

 同法はまた、中国が香港内に新たな治安機関「国家安全維持公署」を設置する権利を付与しており、その職員は任務の遂行に当たって香港の法律に縛られない。

 同法は「香港政府は、国家安全維持公署およびその職員が、本法律に規定する職務を果たす際には、両者に対して管轄権を有しない」と記している。

■外国のNGOおよび報道機関に対する監視

 同法によると、政府機関は香港における「外国および外部NGO、報道機関の(中略)管理を強化するために必要な措置」を取るとしている。

 香港のミニ憲法は、言論の自由および報道の自由を保障している。これと違って中国では、メディアとあらゆる形の公の発言が政府によって厳しく監視されている。

 さらに同法は香港の非永住者にも、同法下の罪を香港の地以外で犯した者にも適用される。

 国家安全維持法に違反した企業は罰金を科され、営業活動が停止される可能性がある。(c)AFP