【7月1日 AFP】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は6月30日、「米国の暴力的な反政府ネットワーク」関連のコンテンツを削除したとともに、今後はオリジナルなニュースを優先的に扱うと同社のブログで発表した。

 最近米国で相次いでいるデモに「ブーガルー(Boogaloo)」という組織化されていない運動のメンバーが武器を持って現れ、メンバーとみられる男が襲撃事件を起こしたとして逮捕・起訴されたことで、この運動は急に注目を集めた。今回フェイスブックがコンテンツを削除したネットワークは「ブーガルー」という単語を使ってはいたが暴力を強く指向しており、ブーガルー運動とは別のものだという。

 ブーガルーの信奉者にはネオナチや白人至上主義グループを中心に、リバタリアンやアナキストもいる。

 同社は、フェイスブックの220アカウントとインスタグラム(Instagram)の95アカウント、さらに28ページと「現在このネットワークを構成している」106グループを削除したと発表。さらに、別の400以上のグループと、同様のコンテンツが投稿されていた100ページ以上も削除したことも明らかにした。

 同社がブーガルー運動に最初に気付いたのは2012年だったが、詳しい監視を始めたのは2019年になってからだという。

■オリジナルなニュースを優先的に

 フェイスブックは6月30日、ユーザーのニュースフィードに表示される記事について、スパムや記事の内容を実際よりも魅力的に見せてユーザーを誘導する「クリックベイト」と呼ばれる見出し、内容が誇大な記事にユーザーが煩わされないようにするため、オリジナルなニュース記事を優先的に扱うと発表した。

 さらに同社は、執筆者が確認できない記事や、提供元がスタッフの情報をはっきりと公開していない記事の優先度を下げることも明らかにした。記事の出どころを確かめやすいように、記事の執筆者や提供元のスタッフの情報をチェックしていくという。

 同社のグローバルニュースパートナーシップ担当バイスプレジデントのキャンベル・ブラウン(Campbell Brown)氏と、プロダクトマネジャーのジョン・レビン(Jon Levin)氏はブログで、これらの情報を提供していない提供元は読者の信頼がなく、クリックベイトなどを含むコンテンツを作ることが多いのが分かったとしている。

 米国で反人種差別などのデモが相次いでいる中、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が発信するものも含め人種差別的で扇動的なコンテンツの抑制にもっと積極的に取り組むよう同社に求める声が高まる中、フェイスブックへの広告出稿を停止する動きが勢いを増している。

 英国・オランダ系の食品・日用品大手ユニリーバ(Unilever)や米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)、米ジーンズブランドのリーバイス(Levis)、米飲料大手コカ・コーラ(Coca-Cola)など有名ブランドを含む約200社がフェイスブックへの広告出稿を停止した。(c)AFP/Glenn CHAPMAN