【7月1日 AFP】日本を含む27か国は6月30日、香港で施行された国家安全維持法は同市の自由を「害する」として、中国に対し再検討を求める共同声明を発表した。

 27か国はまた、中国西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)へのミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)人権高等弁務官の「有意義な立ち入り」を許可するよう中国に求めた。

 日本のほか英国、フランス、ドイツなどが署名した声明は、スイス・ジュネーブの国連人権理事会(UN Human Rights Council)で、在ジュネーブ国際機関英国代表部のジュリアン・ブレイスウェイト(Julian Braithwaite)大使が各国を代表し読み上げた。同理事会で中国が口頭で非難されるのは異例。

 27か国は声明で、香港国家安全維持法が香港市民の人権に明確な影響を及ぼすとして、「深く、高まる懸念」を表明。香港の住民や立法・司法組織の直接的な介入なしに同法を成立させたことは、「一国二制度」が保障する高度な自治と権利、自由を「害する」ものだと主張した。

 声明はまた、「この声明に署名した複数の国が、新疆ウイグル自治区でのウイグル人など少数民族の恣意(しい)的な拘束、広範囲にわたる監視や制限をめぐり、懸念を表明する書簡を昨年提出した」と指摘。「これらの深い懸念は、このたび公になった追加情報により高まった」と述べた。

 新疆ウイグル自治区をめぐっては6月29日、中国当局が人口抑制策としてウイグル人など少数民族の女性に対し不妊手術を強制しているとするドイツ人研究者による報告書が発表されている。(c)AFP