【6月30日 AFP】全米に広がる反人種差別デモの影響で黒人差別の歴史につながる像や記念碑の撤去が相次ぐ中、ハリウッド(Hollywood)俳優ジョン・ウェイン(John Wayne)の名を冠した空港の改称を求める声がカリフォルニア州で上がり、ウェイン・ファンを自認するドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が29日、反撃に乗り出した。

 問題となっているのは、カリフォルニア州オレンジ(Orange)郡にある「ジョン・ウェイン空港(John Wayne Airport)」。地元の民主党議員らが先週、ウェインは人種差別主義者だったとして「オレンジ郡空港(Orange County Airport)」への改称を要求した。

 民主党議員らは決議の中で、西部劇の男らしいスターだったウェインは「白人至上主義、反LGBT(性的少数者)、反先住民的な考え」を持っていたと評し、「オレンジ郡民主党支部はジョン・ウェインの人種差別的で偏見に満ちた発言を非難し、オレンジ郡の空港からジョン・ウェインの名前と肖像を取り除くことを求める」と述べた。

 議員らが特に問題視しているのは、1971年に米男性誌「プレイボーイ(Playboy)」に掲載されたインタビューで、その中でウェインは「私は白人至上主義を信じている」「5世代、10世代前にそれらの人々(黒人)が奴隷だったことに何の罪悪感もない」などと述べている。

 この動きに対し、トランプ氏はツイッター(Twitter)で「何もしない民主党が、空港からジョン・ウェインの名前を取り去ろうとしている。信じられないばかさ加減だ!」と反発した。

 トランプ氏はウェインの「長年のファン」を自認しており、2016年の大統領選の選挙運動時には、アイオワ州にあるウェインの生家に、ウェインの娘アイサ(Aissa Wayne)さんと一緒に登場したこともある。(c)AFP