【6月30日 AFP】米最高裁は29日、ルイジアナ州の妊娠中絶規制法を無効とする判決を下した。中絶の権利を訴える活動家にとって大きな勝利となった。

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 同法は、中絶を行う医師に対し、近くの病院との間で患者受け入れ協定を結ぶことを義務付ける内容。最高裁は保守派判事が過半数を占めているが、右寄りのジョン・ロバーツ(John Roberts)最高裁長官が進歩派判事4人に同意し、5対4で同法を無効とする判断を下した。

 最高裁は判決文で、ルイジアナ州の法律は「中絶提供施設の数と地理的分布を大幅に減少させるもので、多くの女性にとって州内での安全かつ合法的な中絶が不可能になる」と述べた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は最高裁に保守派判事2人を指名しており、最高裁が中絶反対寄りに傾いたと期待していた中絶反対派は今回の判決にいら立ちを募らせている。

 しかしロバーツ氏は進歩派への同意を決めた理由について、あくまで先例にのっとったものであり、ルイジアナ州の法律が憲法に違反する形で中絶の機会を制限しているとの考えからではないと言明。トランプ氏が新たな判事を指名する前の2016年、内容が全く同じテキサス州の法律を無効とした判例に従うべきだと説明した。(c)AFP