【6月29日 Xinhua News】新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、ライブコマースやオンラインショッピング、オンライン体験などの新興消費モデルが多くの消費者を集めている。

 天津市(Tianjin)河北区(Hebei)のフードコート「河隣巷夜市」で唐揚げ店を営む張寧(Zhang Ning)さん(38)が毎週土曜、グルメブロガーとのコラボで3時間以上ライブ配信を行う。張さんは「まわりの店も始めており、われわれも負けてはいられず、配信を見て来てくれる人は多く、集客効果は大きい」と語った。

「オンライン経済」は貧困脱却にとって強力な手がかりとなり、一部の農家はスマートフォンを利用してライブコマースを行い、農産物を全国に出荷するようになった。

 天津市河西区(Hexi)が支援する甘粛省(Gansu)平凉市(Pingliang)荘浪県(Zhuangliang)の農家、杜小斌(Du Xiaobin)さんもその一人。この日は広大な果樹園を背景にスマホをセットし、現地特産のリンゴを手にして3時間余りライブ配信した。配信の間、注文数は増加し続けた。

「リンゴが熟す時期になると、朝9時から夜8時までライブ配信を続け、19年はリンゴを10万キロ以上売った。過去の年間オンライン販売の2倍にあたる量だ」と杜さんは述べた。荘浪県には、電子商取引(EC)企業が51社、各種のネットショップが692店、「微店」の出店者や「快手(Kuaishou)」「抖音(ドウイン、Douyin)」などのショート動画共有アプリの配信者は810店以上ある。同県が19年に農村ECを通じ貧困脱却対策として実現した売上高は1640万3千元(1元=約15円)に達した。

 騰訊控股(テンセント、Tencent)の任宇昕(Ren Yuxin)最高執行責任者(COO)は、今回の感染症でどの産業でもデジタル化のプロセスがある程度開始されるとし、デジタル化・ネットワーク化・スマート化の応用は、感染症に対する中国経済の靱性(じんせい)をいっそう高めたと指摘した。(c)Xinhua News/AFPBB News