【6月28日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が、連覇を目指す全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)と通算13度目の大会制覇が懸かる全仏オープン(French Open 2020)のどちらに出るか迷っていると関係者が明かした。アンディ・マレー(Andy Murray、英国)はトップ選手の体調面を懸念している。

 新型コロナウイルスの影響で3月中旬から中断しているテニスのプロツアーは、8月上旬に5か月ぶりの再開を予定している。

 8月31日から9月13日にかけては米ニューヨークで全米オープン、そのわずか2週間後には仏パリで延期となった全仏オープンが開催され、その間には同じく春から延期となったマスターズ1000(ATP Masters 1000)のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2020)とイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2020)が組み込まれている。

 この日程について、ナダルのコーチを長年務めた叔父のトニ(Toni Nadal)氏は、米スポーツ専門チャンネルESPNのスペイン語版に対して「ラファと話をしたが、どちらに出るか迷っていた」と明かした。

「非現実的なスケジュールで、特にベテラン選手は何週間も連続で出場することはできない」「男子プロテニス協会(ATP)の対応は少しお粗末だと思う。ラファやノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)のような選手には非常に不利な決定だ」

 一方でマレーは、サーフェスが切り替わることによるけがを懸念し、ランキングの付け方を考え直すことが解決策になるのではないかと話した。

「全米で準決や決勝、場合によっては準々決勝を戦った選手が、次の火曜日にマドリードのクレーコートでプレーするのは安全じゃない。選手はもう長い間クレーを経験していない」「トップ選手は、グランドスラム前の1週間は試合に出ないのが通例だ」

「ランキングについては、ポイントをキープできるようにすれば、少し調整できると思う」「しばらくの間は、2年スパンのランキングを検討してもいいのではないだろうか。そうすれば、昨年良かったけれど今年はポイントを守れない選手が、不当な罰を受けることもなくなる」

「今季は毎週大きな大会が開催されるし、安定して勝つ選手がそれだけ多くの大会に出場するのは非常に難しい。ランキングは少しよく考える必要があると思う」

 昨年11月に骨盤を負傷して戦線離脱していたマレーは、現在は英国選手のみが出場する男子テニスのエキシビション大会「バトル・オブ・ブリッツ(Battle of the Brits)」に出場している。27日は5日間で4試合目となるダニエル・エヴァンス(Daniel Evans)との準決勝に臨み、6-1、3-6、8-10で敗れた。

 それでもマレーは、状態は上がっていると自信を見せ、「自分のテニスはすぐそこまで見えている。ただもっと練習する時間が必要で、それができれば戻れると思う」と話した。(c)AFP