【6月28日 Xinhua News】日本映画の中国語吹き替えを数多く担当した中国の声優、劉広寧(Liu Guangning)さんが25日、病気のため上海市で死去した。劉さんと親交のあった日中文化交流協会副会長を務める日本の女優、栗原小巻さんが同日、中国人民対外友好協会東アジア部に弔電を送り、哀悼の意を表した。

 劉さんは外国映画の吹き替えを手掛ける上海電影訳製廠の声優として、1973年から日本映画20作品余りの吹き替えを担当。最も反響が大きかったのは70年代に中国本土で公開された「愛と死」で、劉さんは栗原さん演じたヒロイン「仲田夏子」の声を担当した。

 このほか「華麗なる一族」「サンダカン八番娼館 望郷」「キタキツネ物語」「お吟さま」「絶唱」「砂の器」「姉妹坂」「伊豆の踊子」などを幅広く担当した。こうしたことから、日本映画界と劉さんら上海電影訳製廠の声優との親交は深く、劉さんらは日本の俳優と長年にわたり友情を築いてきた。

 劉さんは生前、栗原さんが演じた役の吹き替えを担当したことを振り返り「最も大事なことは声の良しあしではなく、声で感情を伝えられるかどうかだ」と話していた。(c)Xinhua News/AFPBB News