【6月27日 AFP】米国で新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたとき、カリフォルニア州のコロナ危機対応は称賛されていた。

 しかし今、カリフォルニア州では他の多くの州と同じように感染者数が急増している。特に若者の感染者が目立つ。

 カリフォルニア州は今週、1日当たり約10万件ものコロナ検査を実施した。検査件数を大幅に増やしたために、感染者が急増したようにみえているだけなのだろうか?

 カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)のリー・ライリー(Lee Riley)教授(疫学)は、入院患者も増加しているので実際に感染が拡大していると考えられると語った。

 同州のギャビン・ニューソム(Gavin Newsom)知事によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者数は過去2週間で32%増え4200人を超えた。

 感染者が増えた正確な理由を突き止めるのは難しいが、専門家らは若者の隔離疲れや、感染の拡大につながる行動の自粛緩和が原因である可能性が高いと指摘している。

 同州の経済が再開されて店舗やレストラン、ジムなどが営業再開に向かうなか、住民たちも再び集まって誕生日パーティーや夏のバーベキュー、海水浴などをしている。

 複数の都市で繰り広げられた大規模な反人種差別デモの影響も考えられる。先月ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警官に拘束された際に死亡した事件を受け、カリフォルニア州でも抗議デモが行われた。数千人規模の参加者が密接して数時間続いたデモもあった。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のアン・リモイン(Anne Rimoin)教授(疫学)は、感染者の急増はまったく意外ではないとして、 「少しでも注意を怠れば今よりずっと多くの感染者、今よりずっと多くの死者が出るというのが現実だ」と指摘した。(c)AFP/Laurent BANGUET