【6月28日 Xinhua News】中国の江西省と湖南省の自然境界線をなす羅霄(らしょう)山脈に位置する湖南省(Hunan)瀏陽市(Liuyang)張坊鎮上洪(じょうこう)村には「道官沖(どうかんしょう)」という名の小さな村落があり、古くからの製紙法や油紙傘、土を突き固める「版築(はんちく)」工法など無形文化遺産の宝庫として知られている。

 今月半ばに始まった「村の記憶-李鋒無形文化遺産映像展」では、湖南省で14年にわたり無形文化遺産を撮影してきた文化ボランティア、李鋒(Li Feng)さんの作品が紹介され、多くの愛好家が足を運んでいる。李さんはこれまでに無形文化遺産プロジェクト約200件、無形文化遺産の伝承者約70人の記録を映像に収めてきた。

 今回展示されているのはその一部で、会場ではこのほか、瀏陽菊花石刻や地方伝統演劇の花鼓戯、儺戯(なぎ)、村落に伝わる瀏陽皮影(影絵芝居)などの実演もある。映像展は月末まで開催される。

 道官沖は竹林が生い茂り、古くから竹紙(竹の繊維で作った紙)づくりが盛んで、清代乾隆年間には「貢紙」として朝廷に納めていた。ところが近年は機械生産に押され、数百年続いた手すきによる製紙は衰退の一途をたどっていた。

 2016年に「瀏陽手工造紙製造技術」が長沙市の無形文化遺産プロジェクトに登録されると、人口わずか400人ほどの村落で受け継がれてきた製紙法に再び注目が集まった。これを記念した一連のイベントを通じて、村落に伝わる数々の無形文化遺産や民俗文化も再び輝きを放ち「復活」を果たしている。(c)Xinhua News/AFPBB News