【6月26日 AFP】オーストラリアの情報機関と警察当局は26日、中国による内政干渉をめぐる捜査の一環で、野党・労働党に所属するニューサウスウェールズ(New South Wales)州議員の自宅と事務所を捜索した。

 豪情報機関は、中国共産党のスパイ活動について長期にわたって捜査を行っている。オーストラリア保安情報機構(ASIO)はAFPに対し、「進行中の捜査の一環として、シドニーで捜索令状に基づいた活動が行われている」と認めた。

 家宅捜索を受けたシャケット・モーセルメイン(Shaoquett Moselmane)州議員は、新型コロナウイルス対策で習近平(Xi Jinping)中国国家主席の「揺るぎない」指導力を公然とたたえるなど、党内からも親中姿勢が疑問視されていた。
 
 豪メディアによるとモーセルメイン氏は、中国共産党の官僚養成校として知られる国家行政学院(National Academy of Governance)の卒業生を自身のスタッフに採用しているという。

 スコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相は、オーストラリアはいかなる外国の干渉の試みにも「立ち向かう」と述べた。

 労働党ニューサウスウェールズ州支部代表のジョディ・マッケイ(Jodi McKay)氏は、モーセルメイン氏の党員資格の停止手続きを開始したと記者団に語った。(c)AFP/Andrew BEATTY