【6月27日 AFP】(写真追加)バドミントン男子、世界ランク1位の桃田賢斗(Kento Momota)は26日、交通事故で負傷した目が全快したと明かした上で、来年に延期された東京五輪で母国に金メダルをもたらす決意を示した。

 25歳の桃田は、1月に行われたマレーシア・マスターズ(PERODUA Malaysia Masters 2020)で優勝した数時間後、クアラルンプール国際空港(Kuala Lumpur International Airport)に向かう途中で交通事故に遭い、その後右眼窩(がんか)底骨折の手術を受けた。この事故では乗っていた車の運転手が死亡した。

 桃田は報道陣に対し、「プレー中は全く問題なく見える」「100パーセントの状態で練習に取り組むことができている」とすると、東京五輪で金メダルを獲得する「目標に向かって毎日頑張っていきたい」と語った。

 今年予定されていた東京五輪は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で、平時では初の1年延期に見舞われた。現時点では東京2020の名称のまま2021年7月23日に開幕する予定だが、医療専門家はウイルスを封じ込めて安全に大会を実施するには、1年の延期では不十分との懸念を示している。

 違法カジノを訪れていたとして資格停止処分となり、2016年のリオデジャネイロ五輪には出場できなかった桃田は、大会の延期に「動揺」したことを認め、「手術が終わって半年だったので、自分の中には余裕がなかった。全力で過ごしていこうとしていた中での延期だったので、ペース配分をどうしていいのか難しかった」と明かした。

 それでも練習に励んで前向きな気持ちを維持し、東京五輪での勝利を目指していくとしており、事故や大会の延期については「仕方がないことだった」とコメントすると、「いつまでもあれ(事故)があったからダメだったと言われたくない」と語った。

 新型コロナウイルスは練習に影響を及ぼしたものの、桃田はその時間を利用して自身のプレーを見直し、弱点の克服にも取り組んだといい、「もっと高められると思っている。攻撃力はもっと磨いていきたい」と意気込みを見せた。(c)AFP