【6月26日 AFP】英国では25日、今年最高の暑さを記録し、新型コロナウイルス感染のリスクをよそに海辺の観光地に大勢の人が詰め掛けた。数千人が押し寄せたイングランド南部の港町ボーンマス(Bournemouth)では、市当局が緊急事態を宣言し、観光客に来訪を控えるよう呼び掛けている。

 英気象庁(Met Office)によると、英ロンドン西部のヒースロー空港(Heathrow Airport)ではこの日、前日の32.6度に引き続き33.3度の記録的な高温を記録した。

 こうした中、ボーンマス市当局は、浜辺の光景に「愕然(がくぜん)とした」と表明した。観光客の殺到により交通渋滞や駐車違反が多発し、ごみのポイ捨てや、酔っ払いのけんかなど反社会行動も相次いだという。

 英国では新型コロナウイルス対策で全国的に導入されていたロックダウン(都市封鎖)の緩和を受け、ビーチを訪れることが可能となった。ただ、今も密集を避けることが求められ、パブやレストランは7月4日まで休業の対象となっている。

 ボーンマス市議会のビッキー・スレイド(Vikki Slade)議長は、「非常に多くの人々の無責任な振る舞いや行動に、とにかく衝撃を受けた。皆の安全を守ろうと努めているが、市の機能はひっ迫している」と述べ、市には大勢の観光客を受け入れる準備がないとして、来訪を控えるよう強く求めた。

 また、地元警察も「明らかに、われわれが直面する公衆衛生の危機は今も続いている。これほどおびただしい人数が一か所に集まれば、救急サービスに余計な負担がかかることになる」と警鐘を鳴らした。(c)AFP