【6月26日 AFP】人は誰でもトイレを必要とする──それは、宇宙飛行士も変わらない。米航空宇宙局(NASA)では、宇宙開発初期のアポロ(Apollo)計画で用いられた「プラスチック袋を尻に張り付ける」方法から国際宇宙ステーション(ISS)に導入されている送風吸引式トイレまで、微小重力下での排せつを可能にするさまざまな方法が模索されてきた。

 そして、NASAは25日、2024年の実現を目指す有人月面着陸計画「アルテミス(Artemis)」向けに、微小重力と月の重力の両方に対応した新型トイレのデザインを世界中から公募すると発表した。月面車に搭載する予定だという。

 最優秀デザインの賞金は2万ドル(約210万円)、2位と3位はそれぞれ1万ドル(約110万円)と5000ドル(約50万円)。18歳以下が対象の「ジュニア」部門では、NASAロゴ入りグッズなどの賞品が贈られる。

 NASAは「Lunar Loo(月トイレ)」チャレンジのウェブサイトに25日に掲載した要項の中で、「人間の排せつ物を捕捉し格納する斬新でこれまでにないアプローチが提案されることを期待している」と述べている。

 月の重力は地球の6分の1しかないため、地球上ほどの勢いではないが尿や便は落下する。新型トイレは、こうした環境下で使用できることが条件だ。大きさは0.12立方メートル以内で、騒音レベルは浴槽の換気ファンと同程度の60デシベル未満と規定されている。

 なお、「宇宙飛行士がトイレに頭を突っ込まなくても嘔吐(おうと)できるデザインにはボーナスポイントが付与される」という。締め切りは8月17日。(c)AFP