【7月4日 AFP】使い捨てプラスチック製品が復活している。マスク、フェースシールド、手袋、スクリーンなどのプラスチック製品が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防に欠かせないものとなっていることが主な理由だ。

 だが、その多くは捨てられ、やがて海にたどり着く。

 プラスチック製品の用途は多様だ。美容師らは使い捨てエプロンを着用し、国連(UN)は機内食をPTP包装で提供することを勧めている。また、高齢者や病人と家族がプラスチック製シート越しに面会できる、泡のような外観のテントも存在する。

 環境保護の取り組みで定評のある米カリフォルニア州でさえ、その実績を犠牲にして、使い捨てプラスチックの使用禁止を2か月間、中止した。

 一方、産業界はすぐさまプラスチックの汎用(はんよう)性のアピールに乗り出した。フランスのあるプラスチック業界団体は「使い捨てプラスチックなしでは、食品を細菌から守る包装さえできない」と主張した。

 米プラスチック工業会(Plastics Industry Association)のトニー・ラドシェフスク(Tony Radoszewsk)会長は、人工呼吸器には使い捨てプラスチック製の部品が使われていると指摘。「使い捨てプラスチックは文字通り、生と死を分けることができる」と述べた。

 調査会社オピニオンウェイ(OpinionWay)とイスラエルのソーダストリーム(SodaStream)の合同調査によると、フランス人の66%が今は包装された食品を選ぶと回答している。

 フランスの有機食品小売りチェーン「ナチュラリア(Naturalia)」によると、包装されていない商品の売り上げは、以前は年間20%増だったが、最近は急落しているという。