【6月26日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は25日、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の孟晩舟(Meng Wanzhou)最高財務責任者(CFO)の身柄引き渡し裁判停止の要請について、カナダ政府に圧力をかけるため在外カナダ人のさらなる逮捕を招く恐れがあるとして拒否した。

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 トルドー氏の発言は、中国当局に拘束されている元外交官マイケル・コブリグ(Michael Kovrig)氏の家族の支援を受けた元議員と外交官19人による、カナダ政府に孟氏の釈放を求める書簡を受けてのもの。

 元議員らは、孟氏の釈放が中国政府に18か月間拘束されているコブリグ氏と実業家のマイケル・スペーバー(Michael Spavor)氏の釈放につながることに期待を寄せている。

 トルドー氏は、「書簡を提出したすぐれたカナダ国民を尊敬しているが、彼らとは意見が大きく異なる」と定例会見で述べ、提案は近視眼的だとした。

「中国であれ他の国であれ(カナダ)政府に政治的圧力をかけて思い通りのことをさせるには、少数のカナダ人を無作為に拘束しさえすればいいと中国に示すことになる」「国外に居住したり、旅行したりする何百万人ものカナダ国民を危険にさらすことになる」とトルドー氏は指摘。

 さらに、「政治的圧力や(外国政府による)無差別なカナダ国民の逮捕によって、わが国の司法制度の機能に影響を及ぼすことは認められない」と述べた。(c)AFP