【6月26日 AFP】米南部テキサス州は25日、州内での新型コロナウイルスの感染者急増を受け、経済活動の段階的再開を一時中断すると発表した。ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の統計によると、米国では1日の新規感染者数が過去最高に迫る3万5900人余りに増加した。

 今月初め、数か月におよんだロックダウン(都市封鎖)の解除を開始したテキサスは、経済再開を積極的に進めている州の一つだったが、感染者の急増によりこれまでの対策が無駄となる恐れが出ている。

 同州のグレッグ・アボット(Greg Abbott)知事は「州として、逆戻りし店舗を閉鎖することだけは避けたい。この一時的な中断は感染の封じ込めに役立つだろう」と表明。州民に対しマスクの着用と対人距離の確保を呼び掛けた。

 アボット知事はドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領支持派だが、今回の発表は、新型ウイルス危機がおおむね収束したとの印象作りに努めてきたトランプ氏との違いを鮮明にするものとなった。

 米国の新型ウイルスによる死者数は12万1000人超と、世界で突出している。米南部と西部の複数の州では再び感染が急増しており、米政権の顧問を務める米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長は「憂慮すべき」事態だと警告している。(c)AFP