党本部建物や別荘、墓地…非武装地帯周辺に残る朝鮮戦争の遺物
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【6月27日 AFP】朝鮮労働党の地域本部、別荘、墓地──朝鮮戦争(Korean War)開戦から70年たった今も非武装地帯(DMZ)周辺に残る遺物の数々は、この戦争が今も休戦状態であることを思い出させる。
DMZの東端から数キロ離れた韓国北東部沿岸の高城(Goseong)郡花津浦(Hwajinpo)海岸の白い砂浜を見下ろす崖に、石造りの小さな家が立っている。
この地は、朝鮮戦争以前は北朝鮮の領土だった。小さな家は北朝鮮の現最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の祖父で建国の父、金日成(キム・イルソン、Kim Il Sung)国家主席が別荘として使っていた。
現在は博物館となっている別荘に続く石造りの階段の脇には、1948年に撮影された色あせたモノクロ写真が張ってある。そこに写る5人の子どもの1人は、金国家主席の後継者で、金委員長の父である金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記だ。
現在は韓国・江原道(Gangwon-do)に属する高城は、米国とソビエト連邦が朝鮮半島を分割した38度線の北側に位置する。
山に囲まれた平和な農村、亥安面(Haean)は最も激しい戦いが繰り広げられた場所の一つで、地形がカクテルグラスに似ているとして米国の従軍記者から「パンチボウル」と呼ばれた。
「韓国軍と国連(UN)軍は北側に進むため、われわれの村を越えて行かなければいけなかった」と、ガイドをする村民のリ・ビョンドゥク(Lee Byeong-deuk)さんは説明した。
亥安面で生まれ育ったリさんは、この村はプロパガンダに利用されたと語る。1970年代に韓国政府は、住宅2戸を1戸にまとめ大きく見せようとする政策を推進したが、このようにしてまとめられた住宅はすべて北側に向けて建てられたという。