【6月25日 AFP】アフリカ・サハラ(Sahara)砂漠から飛来した巨大な砂雲が24日、カリブ海(Caribbean Sea)の島国キューバやドミニカ共和国などの上空を覆い、米南部フロリダ州上空にも到達した。保健当局は、呼吸器系疾患のある人に自宅待機を呼び掛けている。

 当局によると巨大砂雲は先週、アフリカから大西洋をわたってカリブ海一帯に飛来し、21日には米自治領プエルトリコ上空を覆った。

 キューバの首都ハバナでは25日にかけ、状況がさらに悪化すると現地の専門家が指摘している。保健省の疫学責任者フランシスコ・デュラン(Francisco Duran)氏は、砂雲によって「呼吸器系症状やアレルギー症状が悪化する」恐れが高いと警告した。

 米フロリダ州マイアミの保健当局も、大気の汚染状況は現在のところ「中程度」だとしつつ、呼吸器系疾患のある人に外出の自粛を呼び掛けている。

 サハラ砂漠の砂が強風に運ばれて西アフリカから大西洋を越えて飛来するのは、北半球が春を迎えると起きる例年の現象だが、キューバの気象学者ホセ・ルビエラ(Jose Rubiera)氏によると、 同国上空を現在覆っている砂雲の濃度は「正常値をはるかに超えている」という。

 キューバ人科学者のエウヘニオ・モヘナ(Eugenio Mojena)氏は、砂雲には「人体に非常に有害な」物質が含まれていると指摘。「鉄、カルシウム、リン、シリコン、水銀といった鉱物」の他「ウイルスや細菌、真菌類、病原性のダニ、ブドウ球菌や有機汚染物質」も含まれていると述べた。

 映像はドミニカ共和国の首都サントドミンゴで23日撮影。(c)AFP