【6月25日 AFP】イスラエルがパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)の一部の併合を計画していることについて、国連安全保障理事会(UN Security Council)は24日、オンラインで会合を開いた。国連(UN)と欧州およびアラブ各国は計画を実施すれば中東和平が大打撃を受けると警告した一方、米国はイスラエルの計画への支持を表明した。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が進める併合計画の開始が1週間後に迫る中で開かれた今回の会合は、国際社会がネタニヤフ首相に方針の転換を呼び掛ける最後の機会となった。

 国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は「イスラエル政府に対し、併合計画の放棄を求める」と呼び掛けた。

 ベルギー、英国、エストニア、フランス、ドイツ、アイルランド、そしてノルウェーの欧州7か国は、併合は中東和平協議再開の可能性を大きく損なうとする共同声明を発表。「国際法の下、併合は、われわれのイスラエルとの親密な関係に影響を及ぼすことになる。また併合をわれわれが承認することはない」と警告した。

 アラブ連盟(Arab League)のアハメド・アブルゲイト(Ahmed Aboul Gheit)事務局長は併合について、「将来のいかなる和平の見通しをも破壊」し、同地域の安定を脅かすことになると警告した。

 一方、ネタニヤフ首相と密接な関係にある米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は併合について批判せず、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は米首都ワシントンで記者団に対し、「イスラエル人がこれらの地域に主権を拡大するという決断は、イスラエル人がなすべき決断だ」と述べた。(c)AFP/Philippe Rater with Shaun Tandon in Washington