【6月25日 AFP】1990年代のコソボ紛争時の戦争犯罪を裁くオランダ・ハーグ(The Hague)の特別法廷(KSC)は24日、同紛争時の戦争犯罪と人道に対する罪など10件の罪で、コソボのハシム・サチ(Hashim Thaci)大統領が起訴されたと明らかにした。

 KSCによると、紛争時の情報機関トップのカドリ・ベセリ(Kadri Veseli)元国会議長も戦争犯罪で起訴された。サチ大統領とべセリ元国会議長は、いずれも4月24日に起訴されていたが、すぐに公表されなかったという。起訴状によると、ハシム・サチ、カドリ・ベセリら複数の被告は、100件近い殺人罪と強制失踪、迫害、拷問などの罪に問われている。

 検察側は起訴の公表について、サチ大統領とベセリ元国会議長がKSCの妨害を「繰り返し試みた」ためと説明した。

 サチ大統領は米ホワイトハウス(White House)で27日に開催予定の、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領との首脳会談に向け米国で準備を進めていたが、報道によれば、サチ大統領はすでに米国から出国した。セルビア・コソボのリチャード・グレネル(Richard Grenell)米特使のツイッター(Twitter)によれば、起訴を受けてサチ大統領は首脳会談への出席を中止した。(c)AFP/Jan HENNOP and Ismet HAJDARI in Pristina