【6月25日 Xinhua News】中国河北省(Hebei)唐山市(Tangshan)遷西県(Qianxi)と承徳市(Chengde)寛城満族自治県の県境付近に残る万里の長城の喜峰口~西潘家口区間は、14世紀後半の明朝洪武年間に造営され、城壁はれんがで築かれている。1970年代に潘家口ダムが建設されると、潘家口関城(長城の防御拠点)と城壁の一部が水没し「水中長城」の独特の景観を作り出した。

 空から俯瞰(ふかん)すると、燕山山脈の尾根を縫うように築かれた長城が、ダム湖の岸辺までつながっているのが分かる。水に潜る巨大な竜のようにも見え、観光客には「SNS映え」するとして人気がある。

 同長城では、社会からの募金を用いた修復・保護プロジェクトが実施されている。2018年の第1期工事に続き、現在は第2期工事が行われている。

 プロジェクトの対象は、城壁1005メートルと「敵台」と呼ばれる防御施設4カ所。第1期工事では4号敵台と両側の城壁132メートルの補修が完了し、今期は1~3号の敵台と残りの城壁873メートルの工事を実施している。今年末の完成を見込む。

 工事を指揮する河北省古代建築保護研究所の次立新(Ci Lixin)副所長によると、修復工事は必要最小限にとどめ、残せるものは残す方針で進められている。城壁の崩れた部分を補うことで、構造上の安全性を保証し、同時に全体の整合性を保つという。

 城壁の欠損面を補うれんがは、当時の製法をもとに今回新たに作られた。粘土や泥をこねるのに機械を用いた以外は、成型や焼成などすべて手作業で行われ、自然な外観を残している。(c)Xinhua News/AFPBB News