【6月24日 AFP】シンガポールで23日、北朝鮮の百貨店向けに高級品の調達を支援したとし起訴された北朝鮮人の男に禁錮刑が言い渡された。

 北朝鮮は核兵器開発をめぐり国連(UN)の制裁を受けているが、シンガポールでは近年、個人や企業が北朝鮮に物資を違法に提供する事例が複数起きている。

 裁判所の文書によると、北朝鮮人のリ・ヒョン(Li Hyon)被告(31)は2014年にシンガポールで学業を終えたあと、父親の百貨店チェーンのため、2年以上にわたってシンガポールで香水、化粧品、時計、ワイン、蒸留酒など総額40万シンガポール・ドル(約3000万円)超相当の高級品を調達し、北朝鮮に持ち込んでいたという。

 検察は「これらの違反行為はシンガポールの国際的な評価と地位を相当傷つけ、シンガポールの金融と経済へのリスクも高めた」と述べた。

 被告は北朝鮮への違法物資の供給ほう助で有罪を認め、4週間の禁錮刑を受けた。この事件では、シンガポール企業の幹部も昨年11月に約3年の禁錮刑を言い渡されている。

 シンガポールは2016年、旧ソ連時代の兵器と戦闘機をキューバから北朝鮮に運ぼうとした計画に関わったとして、国内の海運会社に罰金を科した。シンガポールは2017年、北朝鮮との貿易を停止した。(c)AFP