【6月23日 AFP】カナダで22日に発表された世論調査で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)開始以降、中国系カナダ人の半分が人種差別的な発言や行為の標的にされたことがあると回答したことが明らかになった。

 この調査はカナダの世論調査機関アンガス・リード研究所(Angus Reid Institute)がアルバータ大学(University of Alberta)と協力し、6月15日から18日にかけて中国系カナダ人516人を対象にインターネット上で実施した。

 調査結果によると、516人の半数が悪口を言われたり侮辱されたりしたことがあると回答。もめ事や嫌がらせを避けるために日課を変更したとの回答が61%、実際に脅されたりどう喝されたりしたとの回答が43%だった。

 また10人に3人が、ソーシャルメディア上で人種差別的な落書きやメッセージを頻繁に目にしたり、自分が他人の健康や安全を脅かしているかのような気分にさせられたりしたと答えた。

 さらに新型ウイルス流行で閉鎖されている学校が再開された場合、子どもがいじめに遭うのが心配だとの回答も半分を超えた。

 中国系カナダ人は170万人を超え、全人口の約5%を占めている。アンガス・リード研究所によると、新型ウイルス流行下で中国系カナダ人は他の国民から「完全なカナダ人」とみなされていないと感じ、落胆しているという。同研究所は、中国系住民を標的にした攻撃や脅迫、落書きなどは「隠れたパンデミック」だと表現している。(c)AFP